【わんこブログ】油と動物シリーズ2「牛さん」

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みなさま、こんにちは。カブでございます。お元気でおすごしですか。花粉症のかた以外はこの陽気にうれしいというお感じでしょうか? 前回に続きまして、油についてです。今回はさきに種明かしをします。牛さんというのはただ単につづりが同じというだけです。牛といってもBULL(雄牛)、OX(去勢牛)、COW(乳牛)といろいろありますが(以上の和訳はおおざっぱです)、COWです。Crude Oil Washing(原油洗浄法。この訳自体も微妙です)の略称がCOWになります。というわけで牛さんとは直接関係ありません。ただの洒落です。ごめんなさい。

え~と、油汚れを落とすには、油でが原則となるのはみなさまご存知の通りです。え、食器を洗うのに中性洗剤をつかっている? 「油よごれに~、女医、もといジョイ!」ああ、いやいや、もっともといだった。ボクの飼い主はK社さまにお世話になっているのだった。義理を欠くと飼い主に叱られるっす! 商品名をだすなら「キュキュット」です。うん? 遅いか? 確かに水と油という言葉があるとおり、通常混ざらない両者を「界面活性剤」をつかって境界面をあやふやにして汚れを落とすのが中性洗剤ですね。ですが、基本は油は油で、水は水で落とすというのが普通の発想です。話が少し飛びますが、衣類の洗濯で「ドライクリーニング」というのは水をつかわない、でも油性洗浄剤(多くは塩素系溶剤)を使用します。嘘か本当か、真偽のほどはわかりませんが、大昔、召使いがランプの油を洗濯ものにこぼしたところ、あぶら汚れが落ちたというところからとか(ウィキペディアでは近代の染色業者が発見者となっていますが)。「水」という非常にすぐれた溶媒を使用しない。けれどもほかの溶媒である「油」を使用する。水だけを考えるとドライなだけで、本当の乾燥状態かというと別なわけですね。さて、水性の汚れは水で、油性の汚れは油で、という発想からスタートしたのがCOWです。もともとは原油タンカーの洗浄でつかわれていた手法ですが、陸上タンクでも使用するひとたちがいらっしゃいます。COWの利点はいくつもありますが、そのなかに廃棄物の発生量が少ないというのがあります。油タンクの洗浄方法で高温高圧のスチームを使用するという手段もありますが、これですとどうしても含油水の発生があります。海上に浮かぶ船の場合、廃棄物の搬出もたいへんになるので廃棄物の発生量の多寡は大きな差になります。COW実施の場合、対象となる油のスカム(固まり)などは洗浄剤となる油に溶けて取り込まれるかたちになります。と、ここまで読まれたかたのなかには有機物はともかく、ミネラル等の無機物は溶けんだろうと思われたかたもいっらしゃいましょう。おっしゃるとおりです。ですが、もともとはいっていたものであり、許容範囲とのことでございます。残念ながらCOWについての紹介写真はございません。さきほど申し上げた通り、廃棄物の発生がほぼないため、産廃屋に声がかからないためです。インターネットで検索していただくと、動画解説があります。英語版ですが、とてもわかりやすいアニメーションがありますので英語が苦手なかたでも理解しやすいと思います。お時間のあるときにでもご覧ください。

下の写真は処分場上空をとぶ渡り鳥です。ワタリの季節になりました。関東以南のみなさまはそろそろ花見を検討する季節でしょうか。風邪など召しませんように。カブでした。それではまた。

 

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